
ツールを使うためには「儀式」が必要
ある日、パートナーと話していたのですが、その時に興味深い話が出たのでご紹介。
彼女はイラストをいつも書いているのですが、最近「自宅でペンタブレットを使う」のが取っ付きにくいらしく、ついついスケッチブックに書くと言うことでした。
詳しく話をしていると、どうも家電量販店で展示されているペンタブレットでは描けるそうです。
家電量販店ではいろんなペンタブレットが用意されているのですが、使い勝手の違いはあれど、「どれを使っても割と描ける」そうで、ペンタブレットの種類が悪い、というわけでもなさそう。
自宅のペンタブレットもツールとしては問題ないのですが、自宅だとペンタブレットよりスケッチブックに書くほうが楽しいそうです。
その道具を使うための必要な「儀式」とその時間
二人で色々と考えていると、どうやら取っ付きにくい原因は、そのツールが使えるようになるまでの「手間と時間」がかかることではないかという話に。
描きたいと思って実際に描き始めるまでのステップ(Windows7の場合)は
- ペンタブレットのUSBをPCに挿す
- PCのスイッチを押す
- 起動を待つ
- ログインユーザーを選択
- スタートアップを待つ
- ソフトウェアを起動
- 新規作成で新しいキャンバスを準備
今彼女が使っているPC上で、描きはじめるまでには速くても2分ぐらいはかかりそうな気がします。
その儀式の中で何を失うのか
この途中で失うものは一体なんでしょうか。
彼女の場合、描きたいと思ったときに起動して、2分間の待ち時間。
この間にモチベーションはどんどんダウンしてしまいます。
アイデアは瞬発力。
上記の話とは別の例として、アイデアが出たときにメモをするツールにも同じようなことが言えそうです。
メモをしたいと思ったとき、そのツールがすぐ使えないとそのアイデアが抜けてしまうことも。
iPhoneのツールでも、ロックを外してメモツールを起動し、画面にタップして文字入力が可能な状態になります。
もしかすると、その間に「目の前のアイデアはこぼさなくても」次に出てくるはずだったあのアイデアは消え去っているかもしれません。
自分の瞬発力をダイレクトに伝えられるツールは何?
上ではiPhoneというデジタルツールを例に上げましたが、アナログツールでも同じ事。
メモでも、「常に持っている」のと「かばんの中に入れている」のでは「瞬発力」は全く違います。
メモと一緒にペンも携帯していればすぐにメモを取れますが、鞄にいれていると「そこから出す」必要があります。
前者と後者では瞬発力の違いは一目瞭然ですね。
アナログ・デジタル、どちらがいいのか
デジタルツールであるPCやiPhoneも、瞬発力をあげることは可能です。
PCなら、事前にソフトを起動した状態でスタンバイさせておく。
iPhoneならメモツールを起動した状態で画面ロックしておく。
事前に「すぐ入力できる」状態にもっていけるのであれば、どんなツールでもいいわけです。
「自分にあったツールを選ぶ」とき、自分が準備するのにかかる時間も考えておく必要がありそうです。