商品は良いのに、なぜか売れない。
売り方ってどうすれば良いのかわからない。
商品を作った後、どうすれば良いのかわからない。
これらは、実は多くの人が遭遇するシチュエーションなのではないでしょうか。
そんな時のヒントとなってくれる一冊。
それが、「売れないものを売る方法?そんなものがほんとにあるなら教えてください」です。
本作は、「ひと言で気持ちをとらえて、離さない77のテクニック キャッチコピー力の基本」の著者でもある川上 徹也氏。
キャッチコピーのエキスパートである川上氏が、「売ること」をどのように捉えているのか、というヒントもふんだんに散りばめられています。
では、どうすれば売れるようになるのか。
詳しく見ていきましょう。
商品力×〇〇で商品が売れるようになる
ものを売るために必要なもの。
それは、商品力と、売り方です。
商品がよいことは大前提として、それでもなぜか商品が売れないということであれば、あとは売り方を変えてあげなければならないのです。
デロンギのオイルヒーターは、日本ではなかなか売れない時期がありました。
そもそも寒冷地以外ではセントラルヒーティングという考え方が浸透していなかったため、その良さが理解されなかったんですね。
ところが、そのものの「ウリ」になるものを変えた途端にじわじわと売れるようになりました。
その、「ウリ」とは…
「寝室に置くと一晩中ホテルに泊まっている快適さ」です。
「オイルヒーター」というだけでは全く理解されないその良さが、「ウリ」をきちんと表現して売ることで消費者に理解してもらいやすくなり、結果として購買されるようになったというわけですね。
〇〇は5W2Hを変える
さて、この「売り方」というのは、さきに書いたウリだけではありません。
「5W2H」を軸に考えると、売れるようになる売り方が見えてきます。
「ウリ」「時」「場所」「人」「値段(の見せ方)」「方法」「目的」。
この7つを軸に売り方を変えてあげることで、売れ方がぐっと変わってくるのです。
ユニクロは、オープン時間を変えて学生に売れるようになりました。(時間を変える)
メイク落としは、置き場所を変えて自衛隊員に売れるようになりました。(場所を変える)
ニベアは、ターゲットにする人を変えて男性の需要を喚起しました。(人を変える)
売り方を変えることで、それまで動かなかった商品を動かせるようになったのです。
待つだけではなく、変えて売ることで「攻め」に変わる
さて、この行動で重要なのは、「待ち」だったものが「攻め」にかわったということ。
これこそまさにマーケティングの本質です。
売る行為(セールス)を増やすのではなく、売り方を変えることで効果が最大になるように常に変化を加えていく。
それまでは待ちしかできなかったものが、変えて売ることで「どんどんと攻めていける」ことに気づけるのです。
ちなみにこの本は、マーケティングの基本中の基本、ポジショニングの事例集としても使えます。
商品が売れない、複雑なマーケティングの知識はなかなか勉強できないが、汎用的なアイデアで売れるようにしたいという方は是非読んでみることをお勧めします。